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デザイン思考とは? 5つのフェーズと活用事例

デザイン思考とは?  5つのフェーズと活用事例
目次

事業を立ち上げる際、適切な解決策を見つけるのは難しい課題です。

そんな時に役立つのが「デザイン思考」です。

この記事を読むことで、デザイン思考の基本的な概念とそれがどのように具体的な問題解決に繋がるのかを理解できます。

さらに、実際のビジネスと医療の現場でデザイン思考がどのように活用され、イノベーションを生み出したかの具体的な事例も紹介します。

これにより、デザイン思考を活用する際の参考になり、より具体的で効果的な解決策を見つけるための一助となるでしょう。

デザイン思考入門:新規事業担当者が押さえるべき基本概念

デザイン思考とは?

デザイン思考とは、何か新しいものを生み出すための考え方や手法の一つです。一般的には、「ユーザー中心」、「問題解決」、「プロトタイピング」の3つの観点から進行します。

まず、「ユーザー中心」では、私たちが何を作り出すべきかを見つけるために、ユーザーの視点を重視します。次に、「問題解決」では、見つけた課題をクリエイティブに解決するアイデアを思いつくことが重要です。最後に、「プロトタイピング」では、思いついたアイデアを形にして、実際に試すことで、そのアイデアが実際の問題を解決できるかを確認します。

デザイン思考は、新規事業担当者にとって必要なスキルと言えます。なぜなら、この考え方を持つことで、ユーザーの真のニーズを見つけ出し、それを満たす新しい商品やサービスを生み出すことができるからです。デザイン思考は、新規事業の成功への道筋を示してくれる有効なツールとなります。

デザイン思考の五つのフェーズ

デザイン思考のプロセスは5つのフェーズに分けることができます。それは「共感(Empathize)」、「定義(Define)」、「発想(Ideate)」、「プロトタイピング(Prototype)」、「テスト(Test)」です。

「共感」フェーズでは、ユーザーの立場に立って問題を理解しようとします。例えば、ユーザーインタビューを行ったり、ユーザーの生活を観察したりします。

次に「定義」フェーズ。ここでは「共感」フェーズで得た情報をもとに、解決すべき具体的な問題を定義します。

「発想」フェーズでは、問題解決のための新たなアイデアを生み出します。ブレインストーミングなどがよく用いられます。

その次に「プロトタイピング」フェーズ。ここでは、生み出したアイデアを具体的な形にします。紙とペンでスケッチを描いたり、簡単な模型を作ったりします。

最後に「テスト」フェーズ。ここではプロトタイプをユーザーに使ってもらい、フィードバックを得ます。これにより、アイデアの有効性を検証します。

これらのフェーズを繰り返すことで、ユーザーのニーズに真に応える解決策を見つけることができます。

デザイン思考の実践:効果的なアイデア創出プロセスを身につけよう

empathy(共感)とdefine(定義):問題理解のステップ

デザイン思考の第一歩は、「共感(Empathy)」と「定義(Define)」のステップです。これらは問題理解のための重要なフェーズとなります。

まず、「共感」フェーズでは、私たちが解決したい問題を持つユーザーの立場に立ちます。ユーザーの環境を理解し、ユーザーが直面する問題や困難を感じ、理解することが目的です。具体的には、ユーザーインタビューや観察、体験などを通じて、ユーザーの視点や感情、ニーズを深く理解します。

次に、「定義」フェーズ。ここでは「共感」フェーズで得た情報をもとに、解決すべき具体的な問題を明確に定義します。ここで大切なのは、ユーザーの視点から問題を定義すること。自分たちが何を解決すべきかを明確にし、その問題解決に向けて次のステップに進むための土台を作ります。

これらのステップを通じて、真の問題理解を深め、ユーザーのニーズに応える解決策を見つける道筋をつけることができます。

  • H3: "ideate(発想)、prototype(試作)、test(テスト):解決策創出のステップ"

デザイン思考における「発想(Ideate)」、「試作(Prototype)」、「テスト(Test)」のフェーズは、具体的な解決策を生み出すための重要なステップです。

「発想」フェーズでは、前の「定義」フェーズで明らかになった問題を解決するための新たなアイデアを生み出します。ここで重要なのは量より質。多くのアイデアを出すことで、新たな視点や可能性が見えてきます。

次に、「試作」フェーズ。ここではアイデアを具体的な形にします。紙とペンで描いたり、簡単な模型を作ったりします。プロトタイプは完璧である必要はありません。アイデアを形にすることで、それが実際に動くものになり、他の人と共有しやすくなります。

最後に、「テスト」フェーズ。ここでは作ったプロトタイプを実際のユーザーに使ってもらい、その反応を見ます。これにより、アイデアが現実の問題を解決できるかを検証します。

この3つのステップを繰り返すことで、問題解決のための最適なアイデアを見つけ、それを具現化することができます。

デザイン思考とイノベーション:新規事業担当者のための成功事例紹介

デザイン思考を活用したイノベーション事例1

デザイン思考を活用した具体的なイノベーション事例として、アメリカの大手銀行「Bank of America」の取り組みをご紹介します。

Bank of Americaは、顧客満足度を向上させるためにデザイン思考を導入しました。「共感」フェーズでは、顧客が直面する問題を理解するため、銀行店舗で顧客との対話を重ね、顧客の生活スタイルや銀行利用状況を詳しく調査しました。

そこで見つけたのは、「家計管理が難しい」と感じる顧客が多いという課題でした。これを「定義」フェーズで問題とし、「発想」フェーズで解決策を模索しました。

その結果、彼らが提案したのが"Keep the Change"というプログラムです。このプログラムは、デビットカードでの購入時に支払いを切り上げ、その差額を自動的に顧客の貯蓄口座に振り込むというものでした。このアイデアを「試作」し、実際の顧客に試してもらう「テスト」を行いました。

このプログラムの導入により、顧客の家計管理が容易になり、銀行利用の満足度が大幅に上昇。さらに新規顧客の獲得にも成功しました。

この事例から、デザイン思考が具体的な問題解決にどのように繋がり、イノベーションを生み出す可能性を示しています。

 

デザイン思考を活用したイノベーション事例2

次に紹介するデザイン思考を活用したイノベーション事例は、医療分野から、スタンフォード大学病院の取り組みです。

スタンフォード大学病院は、患者のストレスを軽減するためにデザイン思考を導入しました。「共感」フェーズでは、患者や医療スタッフから直接話を聞き、病院での体験を理解しました。

その結果、「定義」フェーズで明らかになったのは、患者が自分の治療プロセスを理解し難いという問題でした。「発想」フェーズでこの問題を解決するためのアイデアを練り、「試作」フェーズで具体的なソリューションを作りました。

それが、「Patient Journey Map」です。これは患者が治療過程で何を経験するかをビジュアル化したもので、患者自身が自分の治療プロセスを把握しやすくするものです。

「テスト」フェーズでこのマップを導入したところ、患者の不安が減少し、満足度が向上したという結果が得られました。このように、デザイン思考は様々な業界で具体的な問題解決に活用でき、イノベーションを生み出す力があります。

まとめ

本記事では、デザイン思考の定義からその適用までを解説し、そのフェーズ(共感、定義、発想、試作、テスト)とそれらがどのように連携して問題解決に繋がるのかを具体的に説明しました。また、デザイン思考を活用した実際のイノベーション事例を2つ、銀行業界と医療業界から挙げ、具体的な効果をご紹介しました。

Bank of Americaは、デザイン思考を用いて顧客の家計管理の問題を解決し、満足度向上と新規顧客獲得に成功しました。一方、スタンフォード大学病院は、患者の治療過程の理解を助け、患者体験の改善を実現しました。

これらの事例から、デザイン思考がどのように具体的な問題解決に繋がり、イノベーションを生み出す可能性を持つことがわかります。初学者の方でもデザイン思考の基本概念とその活用法を理解できたのではないでしょうか。今後の新規事業開発にデザイン思考の手法を活用してみてはいかがでしょうか。