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ユーザーの心を捉えるパーセプションフロー・モデルの基本と活用法

ユーザーの心を捉えるパーセプションフロー・モデルの基本と活用法
目次

パーセプションフロー・モデルとは

パーセプションフロー・モデルは、顧客やユーザーが製品やサービスに対して持つ認識や感じるプロセスを視覚的に表現するためのツールです。実際の体験を通じての感情や考え方、そして行動の変化を理解するためのフレームワークとして、マーケティングやUXデザインの領域で活用されています。

カスタマージャーニーとパーセプションフローの違い

  • カスタマージャーニー: これは、顧客が製品やサービスに関与する全てのステップをマッピングするものです。目的は、顧客との各接触点での体験を最適化することにあります。
  • パーセプションフロー: こちらはより感覚的・感情的な側面に焦点を当てています。ユーザーが特定の時点やシチュエーションで感じること、そしてその感じることが行動にどのように影響するのかを詳細に探求します。

パーセプションフローモデルの要素

パーセプションフロー・モデルは、顧客やユーザーが製品やサービスとの接触から購入や使用に至るまでの認識や感じるプロセスを視覚的に捉える手法です。この記事では、パーセプションフロー・モデルの書き方をステップごとに解説します。

1. 接触点の列挙

まずは、顧客が製品やサービスに触れる可能性のある全ての接触点を洗い出します。これには、広告、ウェブサイト、実店舗での体験、口コミ、SNSなどが含まれるでしょう。

2. 感情のマッピング

各接触点でユーザーがどのような感情を抱くかを詳細に考察します。例えば、ウェブサイトのデザインが洗練されていれば「安心感」、情報が不足していれば「困惑」などの感情が生まれるでしょう。

3. 認知の評価

ユーザーが製品やサービスについてどのような知識や認識を持っているか、またその接触点を通じてどのような認識に変わったかを評価します。この時点でのユーザーの疑問点や誤解も洗い出しておくと有効です。

4. 行動の記述

ユーザーが感情や認知に基づいてどのような行動を取ったか、または取る可能性があるかを記述します。例えば、商品のレビューが良ければ購入に進む、情報が不足していれば他のサイトで追加情報を調べるなどの行動が考えられます。

5. 背景の考慮

最後に、ユーザーの背後にある動機や状況を考慮します。例えば、急いで製品を必要としている場合、購入の決定が早まるかもしれません。一方、予算に制限がある場合は、より価格に敏感になるでしょう。

パーセプションフロー・モデルの書き方

  1. 接触点の列挙: 製品やサービスの全ての接触点を詳細にリストアップします。
  2. 感情のマッピング: 各接触点でのユーザーの感情を識別し、それに関連する言葉やイメージで表現します。
  3. 認知の評価: どのような情報がユーザーに伝わっているか、またそれがどのように解釈されているかを詳述します。
  4. 行動の記述: ユーザーが感情や認知に基づいてどのような行動を取ったか、具体的に記録します。
  5. 背景の考慮: ユーザーの感情や行動を影響づける背景要因を整理して記載します。

パーセプションフロー・モデルの事例

スマートホームデバイスの導入という具体的なケースをもとに、パーセプションフロー・モデルの5つの要素を用いて分析する記事をお届けします。

1. 接触点: ユーザーが製品・サービスに触れる瞬間

事例:

ユーザーが雑誌の広告でスマートホームデバイスを初めて目にする。

2. 感情の起伏: その接触点でのユーザーの心情

事例:

広告のデザインやキャッチコピーに引き込まれ、興味や好奇心を感じる。

3. 認知の変化: その接触による知識や意識の変容

事例:

「このデバイスを使用すると、家の電気やエアコンの操作がスマートフォンからできるんだ」という新たな認識を得る。

4. 行動: 感情や認知が刺激する具体的なアクション

事例:

興味を持ったため、公式サイトにアクセスし、製品の詳細情報や価格、レビューを調査する。

5. 背景: ユーザーの背後にある動機や状況

事例:

ユーザーは以前から家の自動化に興味があり、時間の節約や生活の便利さを追求している。そのため、新しいテクノロジーに対してオープンな姿勢を持っている。

パーセプションフロー・モデルは、ユーザーや顧客の製品やサービスに対する認識、感情、行動の変化を視覚的に捉えるための強力なフレームワークです。カスタマージャーニーとは異なり、感覚的・感情的な側面に焦点を当てることで、ユーザー体験の深層を詳細に理解することができます。新規事業のアイディア出しや既存事業を改めて考え直す際のフレームワークとして活用してみて下さい。