PRISM UX Lab

  • UXデザイン

認知的ウォークスルーのメリット、デメリット、実践方法をご紹介

認知的ウォークスルーのメリット、デメリット、実践方法をご紹介
目次

認知的ウォークスルーとは

認知的ウォークスルーは、ユーザーインターフェイスの設計を評価するためのユーザビリティテストの一手法です。この方法では、実際のユーザーがシステムを使用する際の認知プロセスをシミュレートして、タスクの遂行に必要なステップを詳細に検討します。評価者は、特定のユーザータスクを完成させるために必要な一連のアクションを想定し、そのプロセスで遭遇する可能性のある障害や混乱の点を特定します。この手法は、プロダクトの初期設計段階で特に有効で、ユーザビリティの問題を発見し、改善策を提案するのに役立ちます。

認知的ウォークスルーのメリットとデメリット

メリット

  1. 早期発見: 設計の初期段階でユーザビリティの問題を発見できるため、開発コストの削減につながります。
  2. ユーザー中心の設計強化: ユーザーの視点を重視し、ユーザーの認知プロセスとタスク遂行の流れを深く理解できます。
  3. 柔軟性: 特定のユーザーグループやシナリオに合わせてカスタマイズ可能で、さまざまな種類のインターフェイスに適用できます。

デメリット

  1. 専門知識が必要: 効果的な認知的ウォークスルーを行うには、ユーザビリティの専門知識と詳細な準備が必要です。
  2. 時間がかかる: すべてのステップと可能性を詳細に検討する必要があるため、時間がかかる場合があります。
  3. 主観性: 評価者の経験や知識によって結果にバイアスがかかる可能性があります。

認知的ウォークスルーとヒューリスティック評価との違い

認知的ウォークスルーとヒューリスティック評価は、どちらもユーザビリティ評価の方法ですが、アプローチに違いがあります。

  • 認知的ウォークスルーは、特定のユーザータスクの実行を通じてインターフェースを評価するプロセス中心のアプローチです。評価者は、ユーザーがタスクを完了するために取るであろうステップを一つ一つ検討します。
  • ヒューリスティック評価は、事前に定義された一連のユーザビリティ原則(ヒューリスティック)を用いてインターフェースを評価する専門家中心のアプローチです。評価者は、これらの原則に基づいてインターフェース全体を審査し、準拠していない箇所を特定します。

認知的ウォークスルーの評価手順

  1. タスクの選択: 評価する具体的なユーザータスクを選択します。
  2. シナリオの定義: タスクを実行するユーザーの背景や目的を含むシナリオを作成します。
  3. 評価の準備: タスクを遂行するために必要な情報やリソースを整理します。
  4. ステップバイステップの分析: ユーザーがタスクを完了するために取ると予想される各ステップを詳細に検討し、問題が発生する可能性のある場所を特定します。
  5. 問題の特定と記録: 各ステップでの潜在的な問題点やユーザーが直面するであろう障害を記録します。
  6. 改善策の提案: 特定された問題に対する改善策を提案します。

まとめ

認知的ウォークスルーは、ユーザーインターフェイスの設計を詳細に評価し、ユーザビリティの問題を早期に特定するための有効な手法です。メリットとデメリットがあり、ヒューリスティック評価とは異なるアプローチを取りますが、ユーザー中心の設計を強化し、製品のユーザビリティを向上させるために重要な役割を果たします。適切な準備と専門知識を持って実施することで、この手法はプロダクト開発プロセスにおいて大きな価値を提供します。