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ジョブ理論とは?消費者の真のニーズを捉える戦略
目次
ジョブ理論とは
ジョブ理論は、消費者が製品やサービスを購入する背後にある「目的」や「ニーズ」を理解しようとする考え方です。この理論は、消費者が特定の「ジョブ」を完成させるために製品やサービスを「雇う」という視点でアプローチを行います。
ジョブ理論におけるジョブとはなにか?
「ジョブ」とは、消費者が達成したい目的や解決したい問題のことを指します。例えば、雨の日に濡れずに移動するために傘を購入する場合、その「ジョブ」は「濡れずに移動する」という目的の達成です。
ジョブの種類
ジョブには大きく分けて、以下の3つの種類があります。
- 機能的ジョブ:具体的な機能やタスクの達成を目指すもの。例:穴を掘る、物を切るなど。
- エモーショナルジョブ:特定の感情や状態を得るためのもの。例:安心感を得る、楽しむなど。
- 社会的ジョブ:社会的な状況や関係性に影響を与えるためのもの。例:ステータスを上げる、人々の前で良い印象を与えるなど。
ミルクシェイク・ストーリーからみるジョブ理論
ミルクシェイク・ストーリーは、ジョブ理論を説明するための有名な事例です。あるレストランチェーンが朝のミルクシェイクの売り上げを増やそうとした際、従来のアプローチ(味の改良など)では効果が見られませんでした。しかし、消費者がミルクシェイクを「雇う」理由や目的(ジョブ)を深く調査した結果、多くの人々が退屈な通勤時間を楽しむためや、空腹を満たすためにミルクシェイクを購入していることが分かりました。この「ジョブ」の理解に基づき、ミルクシェイクの提供方法や成分を変更することで売り上げを大幅に向上させることができました。
ジョブ理論のフレームワーク「ジョブマップ」
ジョブマップは、消費者がある特定のジョブを完了するためのプロセスをステップバイステップでマッピングするツールです。ジョブマップは、以下の8つのステップから構成されています。
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ジョブの開始
- ここでの目的は、どのジョブを達成するかを特定することです。
- 何がそのジョブを引き起こすのか、その動機を理解する。
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情報を探すまたは収集する
- ジョブの遂行に必要な情報やリソースを探すフェーズです。
- 消費者がどのように情報を探すか、どの情報源を信頼しているかを理解する。
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必要なアイテムを準備する
- このフェーズでは、ジョブの実行に必要なツール、材料、または他のリソースを準備します。
- どのような準備が必要か、またその際の課題や障壁は何かを特定します。
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物理的な環境を設定する
- ジョブを実行するための環境を整えるステップ。
- この環境がどのようであるべきか、またどのような課題が生じる可能性があるかを理解する。
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ジョブの実行
- ここでは、ジョブを実際に遂行する。
- 消費者がどのような行動を取るか、どのような課題に直面するかを特定します。
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ジョブのモニタリングと変更
- ジョブの進行を監視し、必要に応じて調整や変更を行うフェーズ。
- 消費者がどのような基準でジョブの進行を判断し、どのような調整を求めるかを理解する。
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ジョブの終了
- ジョブが完了したと判断するタイミングや基準を特定する。
- どのような要因がジョブの完了を示すのか、またその際の感情や結果を理解する。
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後処理と結果の処理
- ジョブの完了後の後片付けや、得られた結果や情報の処理。
- どのようなアクションが必要か、またその際の課題や障壁は何かを特定します。
まとめ
ジョブ理論は、消費者の真のニーズや動機を理解するための強力なフレームワークを提供します。JOBSメソッドやジョブマップなどの具体的なツールを使用することで、製品やサービスの開発、マーケティング、提供方法を最適化し、競争力を高めることができるでしょう。